傍らに書物

年間100冊を基準にジャンルを問わず読んだ本をアップしています。

『禁断の江戸史〜教科書に載らない江戸の事件簿〜』

・高校教師歴27年の歴史研究家である河合敦さんによる江戸時代のディープな知識が得られる一冊。

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・帯にある「江戸人はなぜミイラを食べていたのか?」がインパクトありますが、そもそもミイラを輸入してたのが驚きです。(なぜ食べていたのかはネタバレになるので伏せておきます。)鎖国していたとはいえオランダや中国を通じて大規模な交易が行われており、徳川吉宗はゾウを見たいとベトナムからゾウを輸入しました。時の天皇もゾウを見たいと希望しましたが、畜生で宮中に入れられないということで、ゾウに従四位の位を与え拝謁させたそうです。どの時代も抜け道はあるものです。


・初夢を見ようとがんばった江戸人の話では、縁起の良い夢である1富士、2鷹、3なすびには続きがあって4扇、5たばこ、6座頭(高利貸し)でいずれも高いものを列挙し、すべて駿河国静岡県の東部)のものであるというのが思わず話したくなるものでした。


・江戸時代の風邪の流行では、享和2年(1802年)の「お七風」の際に幕府は4歳以上に補助金を三百文(約3~5千円)を給付したそうです。今回の政府の対応はどうなるのでしょうか、何よりも早くコロナ感染症が収束して欲しいです。