傍らに書物

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『よみがえる戦略的思考』

『よみがえる戦略的思考 〜ウクライナ戦争で見る動的体系〜』』

佐藤優 2022.10 朝日新書

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・長期化するウクライナ戦争によって大きく塗り替えられた国際政治。抱える問題解決のための戦略的思考について書かれた一冊。

 

・本書で何度も登場し、覚えておくべきなのが国際関係を考えるフレームワーク”「価値の体系」「利益の体系」「力の体系」”の三要素です。

 

①「価値の体系」→政治的・同義的に正しい方を応援しなければならないという価値観では、善と悪の二項対立になる。

②利益の体系→価値の体系では対立しつつも戦略的に利益を得る。

③力の体系→自国の「力」を見極めて他国とケンカする

一方的な情報で①価値の体系だけが大きくなると②利益の体系、③力の体系を見失うという感じでしょうか。この3つの体系の考え方は国家間だけでなく色々と応用できそうです。

 

・他にもゼレンスキー主演の「国民の僕」からみるウクライナ側の問題やロシア政府系テレビからの視点など日本では報道されない情報が参考になります。