傍らに書物

年間100冊を基準にジャンルを問わず読んだ本をアップしています。

『テレビが伝えない国際ニュースの真相』

『テレビが伝えない国際ニュースの真相』
茂木誠 2020.11 SB新書

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・歴史系YouTuber、予備校講師の茂木誠さんによる世界情勢が分かりやすく書かれた一冊。

・各国の問題点を難しい解説でなく、入り口から分かりやすい言葉伝えているので非常に読みやすいです。
・例えばアメリカであれば民主党共和党の支持層を考える場合は
「移民にやさしいかどうかで考える」
が切り口としています。移民が多く住むニューヨーク、カルフォルニア(アジア系が多い)などの沿岸部は民主党が強く、移民が入ってこない内陸部は共和党が強いという説明がしっくりきます。
その上で接戦州をスイングステートとよび、フロリダ、オハイオペンシルバニアなどを制すかが重要との説明が勉強になりました。

・中東の問題もかなり分かりやすかったので、ざっくり世界の流れを知るのにオススメです😃

#読書 #reading #茂木誠 #テレビが伝えない国際ニュースの真相

『自分の頭で考える日本の論点』

『自分の頭で考える日本の論点
出口治明 2020.11 幻冬舎

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・テーマごとに基本的な知識の解説が学べ、さらに出口さんの考えをベースに自分の頭で考えることができるという欲張りな一冊。

新型コロナウイルス対応や生活保護ベーシックインカムのどちらが良いのかなど、22の論点が収められています。

・過去からの「タテ軸、ヨコ軸で考える」、「数字・ファクト・ロジック」などの重要なベースとなる考えも再掲されており、オススメです。

#読書 #reading #出口治明 #自分の頭で考える日本の論点

『考えるレッスン』

『考えるレッスン』
外山滋比古 2019 大和書房

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・深く、柔軟に考え、物事の本質を見抜くために必要なことは何かについて書かれた一冊。

・思考術の一つである「平面思考から球面思考」の第四人称の考え方が面白いです。
・平面思考での、第一人称の「わたし」、第二人称の「あなた」、それ以外のすべてを指す第三人称だけでなく、球面思考は第四人称から物事を見ます。

・例えとして道端で2人の男がケンカしていています。当事者、仲裁者が発生しますが、仲裁に入る必要もない距離から眺めている人が第四人称の立場であり、別次元からまったく違った見方ができるというものです。俯瞰に近い感じもします。

・イギリスのことわざ、A rolling stone gathers no moss(転がる石は苔をつけない)はイギリスでは転職や引越しを繰り返すことは良いものが身につかないという意味がありますが、アメリカでは立ち止まらずに動いた方が常にピカピカと逆になるそうです。外山さんはイギリス人でもなくアメリカ人でもない、第四人称の球面思考で両方とも受け入れることで、新しい面白さが生まれると述べています。

・ロックバンドのザ・ローリング・ストーンズは二つの意味があるのをうまく活用している球面思考の知恵のあるネーミングであるいう話は、とても勉強になりました😃
#読書 #reading #考えるレッスン #外山滋比古

『安政維新 阿部正弘の生涯』

安政維新 阿部正弘の生涯』 
穂高健一 南々社 2019

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・欧米列強の来航で揺れる江戸時代後期に、日本を開国し、近代化の道を切り開いた江戸幕府阿部正弘の生涯を描いた一冊。

・ガチガチに締め付けた水野忠邦の後を25歳の若さで老中となり、引き継いだ阿部正弘

・当時はアメリカやロシアが国交を求めて来航してきた難しい局面でしたが、開国による富国強兵、適材適所の人材登用による外交交渉で日本が不利にならないように導いた手腕が凄い!

・ペリーはアメリカのどの政党の下の支持で派遣されているかをオランダの協力で分析したり、ロシアとの北方領土の国境確定を最優先するなど、その意思決定の仕方には学ぶものがたくさんありました。

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『竹中重門と百姓の関ヶ原合戦』

竹中重門と百姓の関ヶ原合戦
三池純正 中田正光

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関ヶ原合戦を、単に小早川秀秋の裏切りが東軍勝利の決め手になったという常識でなく、石田三成の用意周到な戦略が関ヶ原領主の竹中重門竹中半兵衛の子)の翻意で崩れたとする視点が斬新です。

・また関ヶ原に住んでいた領民たちの立場からの視点も見逃せないものでした。

・初期の戦いにおいて西軍の岐阜城を囲む清洲城、竹ケ鼻城、犬山城での攻防において東軍が勝利し、犬山城竹中重門が布陣していたのが大きな転換点になったのがよく分かりました😃

・皆様の声援のおかげで、今年も100冊読破が達成できました。5年目になりますので、これで通算500冊。次は1,000冊を目指して、コツコツと積み上げていきたいと思います🙇‍♂️

#読書 #reading #竹中重門と百姓の関ヶ原合戦 #竹中重門

「スズキ』

『スズキ』 緒真坂 桜門書房

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・インスタで繋がらせていただいてる緒真坂(itoguchi masaka)さんの作品。

・短編が9本収められており、どれも読んだ後にドキっとします。その中の「スウィート・ソウル・レヴュー」は懐かしのピチカート・ファイブの代表曲がタイトルとなってますが、その明るい曲調とは正反対の内容でギャップが印象に残りました。

#読書 #reading #緒真坂 #itoguchimasaka

 

『未来を見る力』

『未来を見る力 人口減少に負けない思考法』

河合雅司 PHP新書 2020.9

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・『未来の年表』の著書である河合雅司さんの新書。

 

・2020年から2040年に日本の人口は1525万人減少することは事実であり、マーケットの縮小、人材不足、一人暮らしの高齢者増などの課題にどう対応するかは、目を背けたくなりますし、過去の成功体験を追いがちです。

 

・本書では人口減少に対して、「戦略的に縮む」という著書の考え方をベースに「人口減少に負けない思考法」を紹介しています。

 

・例として美容業界について、

「美容院や理髪店は、高齢社会においてこれまで以上の大きな存在になる。オシャレをする
ことで人は活性化するからだ。高齢社会において美容院とは身だしなみを整える場所である
だけでなく、精神的にも若返るホットステーションとなるだろう。」

とし、70代が入りやすい美容院が求められるのではなで、具体的な考え方も多く示されています。

 

・「戦略的に縮む」と聞くと、殿を務めるみたいなマイナスのイメージがどうしても先に来てしまいますが、マーケットが減少することを前提に前向きに考えなければいけないと痛切に感じました。

#読書 #reading #未来を見る力 #河合雅司