傍らに書物

年間100冊を基準にジャンルを問わず読んだ本をアップしています。

『ジャガイモの世界史』

『ジャガイモの世界史』 伊藤章治 中公新書 2008

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・「○○の世界史』というタイトルは参考になるものが多いので、努めて読むようにしてますが、ジャガイモも面白かったです。

 

・ジャガイモ発祥地のペルーのティティカカ湖から始まり、アイルランドの飢饉、フランス革命産業革命足尾銅山鉱毒事件などとジャガイモは密接な関わりがあったことが書かれています。

 

・ジャガイモはその栽培の容易さから人々の飢饉を救う役割を担った一方で、豚の餌は昔は森のドングリだったのが、ジャガイモに代わり、その結果として木を切り倒して耕地できるようになり、森林が減少したという面もあるなど、いつもは気づかない視点を学べました。

 

・日本のジャガイモという名前は16世紀末にオランダ人の手でジャワ島のジャカトラから運ばれたことが由来だそうです😃

 

#読書 #reading #ジャガイモの世界史

『精鋭』

『精鋭』 今野敏 朝日文庫

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・主人公は新米巡査・柿田亮。自分が警察官に向いているかに悩みつつも、特殊急襲部隊『SAT』を目指すというストーリー。

 

・テロやハイジャックの場面はなく、ひたすら柿田巡査の成長にスポットを当て、テンポ良く描いています。

 

・巡査からどのようにSATを目指すことができるかという制度的な知識も得られますし、とにかく主人公が前向きで、『人間はどんどん変われるものだ。何かやろうと思ったら、たぶん三ヶ月もあれば、ひととおりのことはできるようになるのではないだろうか。』という言葉に元気をもらいました😃

 

#読書 #reading #精鋭 #今野敏

『フードテック革命』

『フードテック革命』 日経BPマーケティング

2020.7

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・2025年までに700兆円に達すると予想されるフードテックの市場。

 

・代替肉やキッチンOS、外食産業のアップデートなどが詳しく書かれています。こうした動きはコロナ禍もあり、さらに加速するのは間違いないです。

 

・個人的に興味がすごくあるのが、その人に合わせたパーソナライゼーション。アメリカのハビット社のサービスは特殊な飲料を飲み、血液検査と粘膜の一部採取したものから、最適な栄養素と運動をコーチングするもの。このデータと食事の配達をどう連携させるかは難しいようですが、そのうち当たり前になるかもしれません。

 

・各章の最後にはフードテックに取り組む経営者へのインタビューも収められており、「ミスターチーズケーキ」の田村浩二氏の

「従来の飲食店やレストランは客数、客単価、営業日数という、たった3つの要素で売り上げのトップラインが決まってしまうモデル。〜中略〜今回の新型コロナ禍を経て、考えようによっては固定店舗の売り上げに加えて、テークアウトやデリバリー、ネット通販といった新たな収益を得る道筋が見えてきました。今まで10年後の収入が変わらない人生だったのが努力次第で変えられる。」

と述べられていたのが、とても印象に残りました😃

 

#フードテック革命

 

 

『ワークマン式「しない経済」』

『ワークマン式「しない経営」』
土屋哲雄 ダイヤモンド社

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・ワークマンプラス等が絶好調のワークマン。4000億円の空白市場を切り拓いた考え方、どのように自分の頭で考える社員を育てたのかが詳しく書かれています。

・「頑張ってできても意味がない」とした「しない経営」と「エクセル経営」が特長なのですが、「エクセル経営」を導入した経緯、考え方は非常に勉強になりました。

・最終章には「世界標準の経営理論」の入山章栄教授との対談が収められています。こちらの本もすごいらしいので、近々挑戦したいと思います。

#読書 #reading #ワークマン式しない経営 #ワークマンプラス

『メモの変態が手帳をスマホに変えた理由』

『メモの変態が手帳をスマホに変えた理由』

堀越吉太郎 2020.10 小学館集英社プロダクション

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・メモの変態というワードがインパクトあります!その定義は「変態とは、1つはマニアック(熱狂的)であるということ、そしてもう一つはtransformation(トランスフォーメーション・変革)つまり新しいものを提案する、そして起こす」であり、「今の日本にもっとも必要なものは、変態であると断言しておきます。」と言い切ってるのが、何かイカしてます😃

 

・生活を改善するライフハック系の本は定期的に読みますが、この本の内容は今まででもトップクラスです。

 

・考えてみれば、「いつも手元にある、いつでも検索できる」スマホは活用の伸びしろがまだまだあります。この本を読んで、少なくとも5つは新しくアプリを入れ、ホーム画面のレイアウトを大きく変更しました。

 

・単なるメモだけでなく、そこからのアイデアの出し方なども詳しく書かれていますので、情報整理・収集を見直したい方にオススメです。

 

#読書 #reading #メモの変態が手帳をスマホに変えた理由 #堀越吉太郎

『具体⇄抽象トレーニング』

『具体⇄抽象トレーニング』

細谷功 2020

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・少し読んで、これは面白い!と思ったら細谷功さんは『地頭力を鍛える』の著書だと知り納得。思考力が飛躍的にアップできる一冊です。

 

・人間の知の発展には、横軸に情報量の拡大、縦軸に「具体と抽象」があるとしています。

 

・横軸の情報の蓄積は分かりやすいですが、知を発展させるには縦軸の抽象⇄具体の上下運動が必要であり、この上下運動にはトレーニングもいります。情報の蓄積で得たデータを知識とし、法則まで抽象化するイメージです。

 

・帯に

「目覚まし時計、懐中電灯、旅行代理店、カメラ、お金の共通点はなんでしょうか?」という問題がありますが、具体的なものを抽象化するイメージを持つには良いクイズです。

 

・ネット+スマホSNS+AIで横軸の情報量が拡大すると損なわれるのは縦軸の「具体⇄抽象」の能力と指摘しています。「具体⇄抽象」の切り口は本部と現場の対立の構造等も説明することができるので、ロジカルシンキングなどの考え方加え、常に頭の中に持っておくと良いと感じました😃

 

#読書 #reading #具体抽象トレーニン

 

 

 

 

 

 

『絶滅危惧種、講談師を生きる』

絶滅危惧種、講談師を生きる』

神田松之丞 2017 新潮文庫

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・先日オープンした「関ヶ原古戦場記念館」に行ってきました。入場してすぐに関ヶ原の戦い全体像を数分間の映像で紹介するブースがあるのですが、ナレーションがやたらカッコ良いと思ったら人気講談師の神田伯山さんのものでした😃

 

・というわけで前から気になっていたのもあり、本書を読んでみました。

 

・大学では落語研究会には所属せず、とにかく古典芸能を観に行き、その上で講談師の道を選んだというのが戦略的です。

 

・講談師としての稽古は「三方ヶ原戦記」全六巻を書き写すことから始まったとのことです。講談は比較的自由な世界らしいですが、相当な量を暗記した上でのこと。まずは何事も型を覚えることは大事ですね。

#読書 #reading #神田伯山 #神田松之丞

#講談師を生きる