傍らに書物

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『考えるレッスン』

『考えるレッスン』
外山滋比古 2019 大和書房

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・深く、柔軟に考え、物事の本質を見抜くために必要なことは何かについて書かれた一冊。

・思考術の一つである「平面思考から球面思考」の第四人称の考え方が面白いです。
・平面思考での、第一人称の「わたし」、第二人称の「あなた」、それ以外のすべてを指す第三人称だけでなく、球面思考は第四人称から物事を見ます。

・例えとして道端で2人の男がケンカしていています。当事者、仲裁者が発生しますが、仲裁に入る必要もない距離から眺めている人が第四人称の立場であり、別次元からまったく違った見方ができるというものです。俯瞰に近い感じもします。

・イギリスのことわざ、A rolling stone gathers no moss(転がる石は苔をつけない)はイギリスでは転職や引越しを繰り返すことは良いものが身につかないという意味がありますが、アメリカでは立ち止まらずに動いた方が常にピカピカと逆になるそうです。外山さんはイギリス人でもなくアメリカ人でもない、第四人称の球面思考で両方とも受け入れることで、新しい面白さが生まれると述べています。

・ロックバンドのザ・ローリング・ストーンズは二つの意味があるのをうまく活用している球面思考の知恵のあるネーミングであるいう話は、とても勉強になりました😃
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