傍らに書物

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『関ヶ原合戦を復元する』

関ヶ原合戦を復元する』

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水野伍貴 2023.9 星海社

・近年、関ヶ原合戦の研究が活発化し、多くの「新説」が発表されており、例えば

 

小早川秀秋が寝返ったのは開戦と同時、合戦は短時間で終結した

②「西軍が豊臣秀頼を迎えるための御座所として関ヶ原にある城山に陣城 (玉城)を築いた」

こうした新説などを信憑性の高い史料を基に検証し、決戦当日の布陣や経過を復元していくという内容です。

 

・①の小早川秀秋の寝返りは開戦と同時とする白峰旬氏の説に対しては、一次資料である島津家の家臣の帖佐宗光の覚書で序盤は西軍が善戦していたの記述があり、開戦後に短時間で終了したのはないだろうとの考察は説得力がありました。

 

・読了後に関ヶ原に走りに行って笹尾山→開戦地→桃配山と回ってきましたが、小早川の布陣した松尾山はいつ見ても遠いと感じます。様子見には最適な立地で、毛利が布陣した南宮山とはまた違います。

 

・個人的には小学生の時に騎馬戦で味方のハチマキを取ってしまった失態を思い出し、色々な大名が入り混じって数万人も戦う中で、赤白帽子やハチマキでもするわけでなく、どうやって敵味方の区別をつけて戦っていたのかがすごく疑問です。