傍らに書物

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『平均思考は捨てなさい』

『平均思考は捨てなさい 〜出る杭を伸ばす個のの科学〜』

トッド•ローズ 2017.5 早川書房

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•平均身長、平均点、平均層など私たちのものの考え方や価値観にしみついた、「平均」を基準に据えるという手続き。 しかし、この 「平均思考」が害をなすとしたらどうだろう?という観点から多くの気づきが得らる内容です。

 

•1940年代のアメリカ空軍でパイロットの事故が頻繁に発生。その原因がコクピットのサイズ設計が問題であると気づき、4063人のパイロット10項目な調査で平均像を出そうと試みたが、結果は10項目すべてが平均に収まったケースはひとつもなかったそうです。

 

•個性を存分に発揮することで人生で優位に立つヒントとなる3つの原理が特に重要です。

①バラツキの原理→平均的な人間はおらず、人の能力にはバラツキがある

②コンテクストの原理→置かれた環境で人の行動等は変わる

③迂回路の原理→皆が同じスピードで成長するこてはない

 

•ちなみにコクピットのサイズ問題はシートと位置を変えれるようにしたことで解決したそうです。車に乗っていたら当たり前のことですが、働く環境自体を個人に合わせ力を発揮させると考えるとなかなか奥が深い話です。

 

•バスケットNBAの得点力を高い選手を優先して集めて失敗した話や赤ちゃんの成長はざまざまである例が紹介されており、教育、スポーツ、企業の人材育成、どんな分野でも参考になる一冊でした。