『「価格上昇」時代のマーケティング』
小阪裕司 2022.9 phpビジネス新書
・10月に入りモノだけでなくサービスの価格も急激に上がっていて、消費者としては心がザワザワしてます。
・本書はこの価格上昇時代に物価高に苦しむ企業とむしろ売上を伸ばす企業の決定的な違いや「値上げの作法」を豊富な事例を交え、分かりやすく学べます。
・いくつもの重要なキーワードが出てきますが
1.意味合い消費→意味のあると思ったら惜しみなくお金を使う
2.内的参照価格→お客さんの記憶から想起する価格
3.マスタービジネス→顧客に有益な価値を提供する「師匠」である
の3つがとても響きました。
・事例で興味深かったのが京都西陣菓匠宗禅が製造・販売する献上菓子「黄金亀」。この大粒のあられはなんと2粒で10万円ですが、製造に10日かかり、金箔・手染めの友禅紙・加賀塗の漆器・西陣の巾着等の付加価値があり、金箔貼りも金箔師のもとに修行に行って身につけたというストーリーも素敵です。
・B to Cだけでなく B to Bの事例も取り上げてられており、ますます値上げが進む環境下で一読しておきたい一冊です。