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『コンテナ物語 〜世界を変えたのは「箱」の発明だった』

『コンテナ物語 〜世界を変えたのは「箱」の発明だった』

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マルク・レビンソン 2019.1 日経BP

・コンテナは1937年にトラック運転手だったマルコム・マクリーンが埠頭での荷下ろしの順番待ちをしているときに思いついたらしいです。

・この船を利用したコンテナによる輸送のアイデアより「輸送事業の本当の仕事は船なり列車なりを運航することでなく貨物を運ぶこと」と理解したことがマクリーンの経営者としての真の貢献としています。

・コンテナの導入により港で働く沖仲士は職を失うので反抗しますし、コンテナの規格をめぐって他社や政府とのハードな交渉も発生します。

・読み進めるとコンテナが普及するまでの困難さが長々と書いてある印象をもちますが、ポータの5フォースのフレームを思い浮かべながら読むとなかなか面白いです。

○5フォースモデル
新規参入者の脅威
売り手(サプライヤー)の交渉力
買い手(顧客)の交渉力
代替品や代替サービスの脅威
既存企業同士の競争(競争業者)

・特に船会社が過当競争になって買い手である荷主の交渉力が強くなる部分などは生々しいです。

・日本からアメリカへの電化製品などの輸出を行えたのもコンテナリゼーションのおかげであることも良く分かる内容であり、なかなかの長編ですが普段とは違う視点が得られる一冊です。

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