傍らに書物

年間100冊を基準にジャンルを問わず読んだ本をアップしています。

「脱常識の社会学』

『脱常識の社会学〜社会の読み方入門』

ランドル・コリンズ著 1992 岩波書店

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なぜ私たちは疑いもせず、取引ができるのか。なぜ結婚するのか、なぜ権力が生まれるのか。

当たり前に片付けられている常識を社会学の観点から説明する一冊。特に学びの多かったテーマは以下。

 

第2章の「神の社会学

宗教の基本的概念は「聖と俗」の二元論で、この信念には基本的な宗教的行為(儀礼)がともなうとしています。

単一の神、多数の神、動物や植物の神など、どのような形態でも、その社会に応じた「聖と俗」の二元論と儀礼があるという感じです。

近代になって世界主義的な社会が発展すると、宗教が政治上の主義主張に変わったり、個人に普遍的な道徳観念が生まれたりと、奥が深いです。

 

4章の「犯罪の社会学

犯罪は

①「被害者なき犯罪」

②「財産犯罪」

③「激情犯罪」

に分けられるとしています。

①は薬物使用など国によっては犯罪にならないもの、②は他人の財産を侵害するもの、③は殺人など。カテゴリー分けしてニュースを見るだけでも洞察力が上がるかも知れません。

 

デュルケムらの社会学における基本的な考えが網羅されており、ここから興味がある分野に広げていきたいです😃