傍らに書物

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『統計学が最強の学問である』

統計学が最強の学問である』 西内啓
ダイヤモンド社 2013

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・同じく西内啓さんの『遠藤保仁がいればチームの勝ち点は117%』(ソフトバンク新書 2012)、『コトラーが教えてくれたこと 女子大生バンドが実践したマーケティング』(ぱる出版 2010)もほぼ同時に読んでみました。
・『統計学が最強の学問である』は統計学の歴史や考え方が横断的に学べる内容ですが、統計学の本はほぼ初めて読んだので、なかなか難解でした。そこで趣味のサッカーと絡めれば何となく分かるだろうと、読み進めました。
・これだけは覚えておくと良いと思ったのが、「p値が5%以下は偶然ではない」
・p値は「実際には何の差もないのに誤差や偶然によってたまたまデータのような差が生じる確率」という定義であり、慣例的に5%以下であれば、偶然出たとは考えにくいと判断するそうです。
・例えば2011年のJリーグを分析し、p値が低く、勝利に対する貢度度が高いのは相手アタッキングサードでのパス成功率(遠藤が全選手中1位)などから算出したチャンスメイク貢献度が1位、キーパーのセーブ貢献度が2位というようにデータで正確に示されるのは面白いです。2012年の話ですから、映画「マネーボール」同様に今ではもっと研究が進んでいると思います。
コトラーの方は統計学とは関係なく、「もしドラ」のコトラー版ですが、ストーリーとともにマーケティングが学べ、基本の4Pは間違えて考えると、物事がうまくいかないのがリアルに分かる一冊でした。