『醬油・味噌・酢はすごい 〜三大発酵調味料と日本人〜
・発酵学の第一人者による醤油、味噌、酢の歴史と効能についての一冊。
・醤油の起源は中国の始皇帝が天下統一したキングダムの時代である秦の頃であり、「醤 ジャン」という記述があったそうです。
・日本では塩で漬けこんだものを「比之保 ひしお」と呼んでいて、これが融合されて、「醤」をジャンでなく、ひしおと呼ぶようになったという流れから醤油につながっていきます。
・飛鳥時代の大宝律令が制定された時には醤油を司る「醤院 ひしおつかさ」が置かれており、人々の暮らしの中でいかに重要だったかが分かります。
・個人的に面白いと思ったのが味噌のパート。味噌には米味噌、麦味噌、豆味噌があり、大豆で作る豆味噌は愛知、岐阜、三重の東海地方で生産されるという地域特性を有しています。
・豆味噌の製法である味噌玉(八丁式玉等)は朝鮮半島由来で、敦賀→余呉→美濃→飛騨→三河のようなルートで広がったようです。このタンパク質が豊富な豆味噌を巧みに利用したのが徳川家康で、精強な三河武士は豆味噌の栄養によるものも大きかったのかもしれません。
・ということで読了後は八丁味噌を買ってみました。各地の醤油・味噌・酢の見方が変わる良著でした。
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