傍らに書物

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『感染症の世界史』

感染症の世界史』 石 弘之 2014年

・「地上最強の地位に上り詰めた人類にとって、感染症の原因である微生物は、ほぼ唯一の天敵」
 40億年の地球環境史の視点から感染症を学べる一冊。

・ピロリ菌やコレラも記述がありますが、やはり気になるのはインフルエンザ。

・インフルエンザは過密社会に適応したウイルスであり
①交通・物流の発達により感染のスピードが上がり、広範囲に感染が拡大
②湿地の減少→過去半世紀に農地転換や開発で世界の湿地の50%が失われ(カルフォルニア90%、日本50%)たことでカモなどの越冬地が狭められ過密になり、ウイルス感染の機会が格段に増加
などの環境変化と、世界の高齢化もあり、インフルエンザは人類にとって非常に脅威なものとなっています。

・冒頭に「地震は地球誕生からつづく地殻変動であり、感染症は生命誕生からつづく生物進化の一環」とし、30~40年ぐらいの周期で世界的な流行は起こる(前回は1968年の香港かぜ)としていますが、感染症地震と違い、ボランティア等のマンパワーで助けることがなかなか難しく、各個人がうがい、手洗いを励行する、十分な睡眠・食事を取る、人混みは避ける等で拡大を防ぐしかないのが本当に厄介です・・・

・東京に単身赴任中の東日本大震災では計画停電等を経験し、その際も乾電池や缶詰はカニ味噌以外が売り切れる事態に遭遇しましたが、数日で物流は改善しましたので、パニックにならず、冷静な行動をするのも必要です。

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