傍らに書物

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『世界は贈与でできている』

『世界は贈与でできている』
近内悠太 2020.3 ニューズピックス

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・資本主義のすきまを埋める「贈与」について書かれた一冊。

・贈与という言葉を聞くと単純にプレゼントや見返りを求めるギブアンドテイクのイメージを持ちますが、本書では贈与を以下のように定義しています。
贈与→必要としているにもかかわらずお金で買うことのできないものおよびその移動

・贈与した人が相手にすぐに見返り等を求めるものでなく、「あれは贈与だったのか」と受取った人が後で気づくのが贈与の名にふさわしいとしています。本書のサンタクロースが実は親だったと後で知る例や、親や上司から受けたアドバイス等を後になって「そういう意味だったのか!」と気づくみたいな感じでしょうか。

「贈与は差出人に倫理を要求し、受け手には知性を要求する」や「贈与は未来にあると同時に過去にある。」「今 - 未来、今 - 過去が交錯するのが、贈与の本当の姿なのです」という言葉が響くものがありました。

哲学の本ですが、映画『ペイフォワード』や『テルマエ・ロマエ』のエピソードも用いられており、今までにない視点を得るのにオススメです。

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