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『人新世の「資本論」』

『人新世の「資本論」』
斎藤幸平 2020.9 集英社新書

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・人類野経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。

・権力の強弱を縦軸、平等不平等を横軸にした未来の選択肢4つが考えさせられるものがあります。
①気候ファシズム(権力強い、不平等)
②野蛮状態(権力弱い、不平等)
③気候毛沢東主義(権力強い、平等)
④X(権力弱い、平等)

・資本主義で経済成長にこだわる①気候ファシズムでは力の弱い国にシワ寄せが来て②野蛮状態になってしまいますし、統制を強くして③気候毛沢東主義で小説『1984』のような世界になってしまうのも避けたいものです…

・まだ答えのない④のXをどう築いていくのか?方向性としては市民が持続可能なエネルギーの管理を行う「〈市民〉営化」という考えが共感できるものでした。

・コロナ禍で今まで当たり前だった習慣等は随分と変わりましたが、資本主義というルールそのままで地球環境を改善していくのは、経済活動を元に戻したい流れと相対すると思います。本書で主張される「潤沢な脱成長経済」が実現できれば素晴らしいことです。

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