傍らに書物

年間100冊を基準にジャンルを問わず読んだ本をアップしています。

『逆・タイムマシン経営論』

『逆・タイムマシン経営論』
楠木健 杉浦泰 2020.10 日経BP

f:id:starksno8:20210911083732j:image

シリコンバレーなど未来を実現している国や地域を参考にするのでなく、逆タイムマシン経営論は過ぎた「近過去」から本質を見抜くというもの。

・①飛び道具トラップ
 ②激動期トラップ
 ③遠近歪曲トラップ
の3つの視点から近過去を分析していくのですが、どれも腑に落ちます。

・①飛び道具トラップでは「サブスク」が取り上げられてますが、イラストレーター等を扱うアドビが成功し、2019年には最も盛り上がりましたがAOKIのスーツのサブスクなど、撤退する企業も増えています。
 これを「同時代性の罠」とし、そもそもサブスクは古くからある課金方式なのに競争優位の実体とすり替わっているという分析は学びが多いものです。
 
・③遠近歪曲トラップの「人口は増えても減っても諸悪の根源」は人口問題を過去に遡りながら長いトレンドで考えるだけでも全然違うのがよく分かるものであり、読んで損のない一冊でした。

#逆タイムマシン経営論
#読書
#reading
#楠木健
#杉浦泰