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『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』

『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』

成田悠輔 2022.7 SB新書

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・NewsPicksの動画等で成田さんの考え方が独創的だと思い読んでみました。

 

・成田さんはアメリカイェール大学助教授、半熟仮想株式会社代表でデータアルゴリズム等が専門とキャリアが独特です。ちなみき半熟仮想という社名はゲーム「半熟英雄」からきているそうです。

 

・本書では資本主義と民主主義の二人三脚で、資本主義が加速する中、民主主義は重症で後退。民主主義は①闘争②逃走③構想のどの選択肢を選んでいくのかを考える内容です。

 

・③構想では「民主主義とはデータの変換である」とし、民主主義はつまるところ、みんなの民意を表す何らかのデータを入力し、何らかの社会的意思決定を出力する何らかのルール・装置であるという見方が面白いです。

 

・現在の選挙は多数決(多数派のお祭り)ではっきりと結果が分かり、長い歴史の中で正統性や権威性をまとっきました。

代替案として、もっとデータの入力側である有権者の様々な情報をエビデンスとして反映し、意決定する「無意識データ民主主義」という仕組みが解説されてます。

 

・何ともスケールの大きい話ですが、コロナ対応や経済成長で民主主義国家より非民主国家の方が成果を上げているのを見ると、民主主義を続けていくためには真剣に捉えていく必要があると感じました。

 

・タイトルに政治家はネコになるとありますが、1988年のアメリカ大統領選にはオスネコ「モリス」が実際に出馬したことがあるそうです。(結果はジョージブッシュに惜しくも敗れる)