『未来への大分岐』マルクス・ガブリエル、マイケル・ハート、ポール・メイソン、斎藤幸平
・「資本主義の終わりか、人間の終焉か」をテーマとし、3人の哲学者、政治哲学者、経済ジャーナリストと斎藤幸平が対談した内容が収められた一冊です。
・第3部の経済ジャーナリストであるポール・メイソンのポストキャピタリズムが結構考えさせられる部分が多かったです。
・1790年の蒸気機関からはじまるコンドラチェフの波は鉄道→重工業→原子力・コンピュータとその時代の資本蓄積を牽引してきた。しかし現在の波である情報技術では経済は失速しており、情報技術による経済は資本主義と共存できないのでなないかと指摘しています。
・ポストキャピタリズムの目指すのは以下の4点
①限界費用ゼロ
②高度なオートメーション化と労働の定義の変化
③正のネットワーク効果
④情報の民主化
↓
しかしそれぞれに阻害する以下のものがあります。
①市場の独占
②オートメーション化に対する対抗
③プラットフォーム資本主義
④情報の非対称性をつくり出す
・情報技術について支配者は、
①まずプロパガンダで操ろうとして失敗
②つぎにインターネット閉鎖も失敗
③インターネット上の空間を、互い相容れないバラバラの島宇宙のようなグループに分断し、タコツボ化させた。
という流れで支配しつつあるとしています。真実や事実を知ることができる社会を維持し、人間らしく生きれることってこれから難しくなるのかもしれないとちょっと不安になりました😅
・なかなか難解だったので、もう一回読み直して見ようと思います!