傍らに書物

年間100冊を基準にジャンルを問わず読んだ本をアップしています。

『もし僕らの言葉がウイスキーだったなら』

『もし僕らの言葉がウイスキーだったなら』

村上春樹 1999 新潮社

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村上春樹さんがシングルモルトを味わうべく訪れたスコットランドアイラ島にまつわるエッセイ。

普段はウイスキーは飲まないのに、作品を読んでいると、無性に飲んでみたくなりました。早速、本作品の中でもアイラ島のポピュラーなシングルモルトとして登場した「ボウモア」をドンキホーテで購入。飲みながら読み進めるとなかなか良い感じでした😃

写真と文字で情報が入ると普段は全くスルーしてたウイスキー売り場も風景が違って見えたのが一番の収穫かもしれません。

#読書
#reading
#もし僕らのことばがウィスキーであったなら
#ボウモア
#村上春樹

『動物農場』

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ジョージ・オーウェルによるファシズム(権力による支配、他国への侵略)をおとぎ話的に描いた一冊。


人間たちに搾取されていた農場の豚、牛、鶏たちが、反乱を起こし人間を追放。「すべての動物が平等」という理想社会を建設したのだが、指導者となった豚たちが権力を握ってしまう…


動物達が決めた理想のルールが、権力者に都合の良いように少しずつ改ざんされていく様子がとても怖いです。


1984年』もそうでしたが、『動物農場』もほとんど救いようのない展開になっていくので読むと暗い気持ちになりますが、今得ている自由って簡単に築かれたものではないと教訓になります。

『スマホ脳』

スマホ脳』
アンデシュ・ハンセン 2020.11 新潮文庫

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脳が得る快楽はギャンブルもメールの通知も同じ的なことは、以前何かで読んだことがありますが、この『スマホ脳』は人類進化の背景も交えながら解説しているので、より分かりやすいです。

昔は狩猟により食糧を確保したり、他人や動物に襲われて死ぬ可能性が高いので、常に周囲を確認してドーパミンを増やし、チャンスやピンチを知る必要があった。
    ↓
しかし現代の職場や学校ではじっと集中していることが求められる…
    ↓
でもドーパミンがドバドバでる仕掛けが満載のスマホがあっては集中はできない。

このような状況の問題点が結構シビアに書かれていて、これからどうしようと考えさせられる内容でした。

読み終えてスマホによる圧倒的な情報量に対応していくのには
①適度な運動(短時間でもOK)
電子書籍でない本を読む
③寝る場所にはスマホを置かないの3点が重要かと感じました。

#読書 #reading #スマホ

『Z世代 若者はなぜインスタ・Tik Tokにハマるのか?』

『Z世代 若者はなぜインスタ・Tik Tokにハマるのか?』

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原田曜平 2020.10 光文社新書

TVつけたらお笑い第7世代ばかりやん。
不思議に感じてましたが、その背景がよく分かる一冊です。

そもそものZ世代とは1990年代中盤(または2000年代序盤)以降に生まれた「スマホ第一世代」。
アメリカ等ではZ世代の人口が多いが、日本は少子化で少ないです。だけどSNSを当たり前に活用するので大人を巻き込んで消費を拡大させる等の拡散力があります。

本書ではZ世代を理解するキーワードを「チル(まったり)&ミー(自己承認、発信欲求)」とし、メディアの使用状況や新型コロナの影響を豊富なデータとともに解説しています。

SNSの違いや特徴を学べましたが、一番の収穫は自分の子供がyoutubeばかり視聴してイラッとしていましたが、客観的に見ることができるようになったことかもしれません。

#読書 #reading #z世代 #原田曜平

『知ろうとすること』

『知ろうとすること』
早野龍五、糸井重里 新潮文庫 2014

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福島第一原発の事故後に、ただ事実を分析し、発信し続けた物理学者の早野龍五さんとコピーライターの糸井重里産の対談形式の一冊。

・糸井さんは大変な事態になったときには、冷静に判断か必要であり、原発事故の際には、判断の方法を早野さんのツイートから無意識に学んだとのことです。
・その方法は参考にする意見を「よりスキャンダルでないほう」、「より正義を語らないほう」、「より失礼でないほう」、「よりユーモアのあるほう」という基準で選ぶというものです。

・大量に色々な情報が錯綜する時代ですし、自分も年齢を重ねるごとに反対意見は聞かないようになってる感じがします。知ることに関して、偏らないようにしないといけないですね。

『統計学が最強の学問である』

統計学が最強の学問である』 西内啓
ダイヤモンド社 2013

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・同じく西内啓さんの『遠藤保仁がいればチームの勝ち点は117%』(ソフトバンク新書 2012)、『コトラーが教えてくれたこと 女子大生バンドが実践したマーケティング』(ぱる出版 2010)もほぼ同時に読んでみました。
・『統計学が最強の学問である』は統計学の歴史や考え方が横断的に学べる内容ですが、統計学の本はほぼ初めて読んだので、なかなか難解でした。そこで趣味のサッカーと絡めれば何となく分かるだろうと、読み進めました。
・これだけは覚えておくと良いと思ったのが、「p値が5%以下は偶然ではない」
・p値は「実際には何の差もないのに誤差や偶然によってたまたまデータのような差が生じる確率」という定義であり、慣例的に5%以下であれば、偶然出たとは考えにくいと判断するそうです。
・例えば2011年のJリーグを分析し、p値が低く、勝利に対する貢度度が高いのは相手アタッキングサードでのパス成功率(遠藤が全選手中1位)などから算出したチャンスメイク貢献度が1位、キーパーのセーブ貢献度が2位というようにデータで正確に示されるのは面白いです。2012年の話ですから、映画「マネーボール」同様に今ではもっと研究が進んでいると思います。
コトラーの方は統計学とは関係なく、「もしドラ」のコトラー版ですが、ストーリーとともにマーケティングが学べ、基本の4Pは間違えて考えると、物事がうまくいかないのがリアルに分かる一冊でした。

『よくわかる伝統文化の歴史② 茶道・香道・華道・水墨画』

『よくわかる伝統文化の歴史② 茶道・香道・華道・水墨画』 淡交社 監修 中村修

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室町時代に成立した茶の湯、生け花をはじめとした伝統文化について学べる一冊。

・政治・経済が安定した足利義満らの庇護を受けて一気に文化が発展していく様子がよく分かります。

連歌や花や香の会を行う「寄合」の文化が活発化し、中国との交流から水墨画が発展していく。

・面白い視点だと感じたのが、狩野元信らの狩野派の捉え方で、元信は
①襖絵から屏風、扇絵まで品揃えを良くして、高価格から低価格まで取揃えた。②唐絵から大和絵まで狩野派風とすることでデザインを作り上げた。
③工房システムをつくり、弟子たちに元信ブランドを引き継げるようにした。
という3つに取り組んだとのことです。優れたマーケット感覚を持っていたことに驚嘆です😵

#読書 #reading #室町時代