傍らに書物

年間100冊を基準にジャンルを問わず読んだ本をアップしています。

『罰ゲーム化する管理職』

『罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法』

小林祐児 2024.2 インターナショナル新書

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•高い自殺率、縮む給与差、育たぬ後任、辞めていく女性と若手。社会問題ともいえる日本の管理職の異常な「罰ゲーム化」を、国際比較を含む多数のデータで分析し、解決策の方向性を示す内容です。

•ドラマ「不適切にもほどがある」でも描かれたように、現在の管理職はあらゆるハラスメントをきにしないといけないので、なかなか大変です。

 

•30年のロングトレンドでなぜ罰ゲーム化したかを分析した以下の部分が興味深いです。

経営環境▶︎バブル崩壊→組織の高齢化→これ以上人件費は割けない→非正規でカバーして競争力を維持

人材マネジメント▶︎成果主義の導入、組織のフラット化により管理職が減少。

職場環境▶︎プレイングマネジャー化が進行、労働時間管理圧力、人材の多様化

長いトレンドでみると原因がよく分かります。

 

•ではどうしたら良いか?本書では以下ののアプローチを紹介しています。

フォロワーシップアプローチとワークシェアリングアプローチの現場実践

②ネットワークアプローチの現場実践

③キャリアアプローチの現場実践

どれも一朝一夕にはできないものですが、考え方として取り入れていくことは大事なことです。

 

•私自身も管理職であり、日々悩みも喜びもあります。客観的に管理職をとらえるには最適な一冊でした。

 

 

 

 

 

 

『職場を幸せにするメガネ』

『職場を幸せにするメガネ』

小林嘉男 2016.4  まる出版

半導体製造装置メーカー“株式会社ディスコ“の経理部長の小林さんは、かつては部下から「鬼上司」「冷徹人間」などと言われ、ギスギスした職場を作り出した張本人でした。

 

•そのギスギスした職場を「リーダーは幸せの専門家」という考えに触れ、アドラー心理学と出会うことで変えていった経緯が分かりやすく書かれています。

 

•中でも人間は誰もが「認知のメガネ」をかけて「主観的な解釈」をしているという部分は非常に重要です。例として犬を対象にすれば、①犬好きな人のメガネ②犬に全く関心がないレンズなしのメガネ③犬は怖いというメガネで全く認知は違います。

 

•小林さんは今まで自分のお気に入りで、かたくなに信じていた「部下にダメ出ししてでも徹底的に鍛えるのが上司の役割」というメガネを「部下を幸せにするのが上司の役割」というメガネにかけ替えたことで職場は大きく変わりました。

 

•幸せな職場を作るための仕組みやキーワードの中で、職場の結束力を高める4つのキーワードは①感謝②寛容③楽しむ④Yes.andとしています。

感謝の気持ちを伝えるって考えてみるとぜんぜん十分できてないと思います。自分もメガネをかけ替えるのが必要ですね。

 

『恥をかかないスピーチ力』

『恥をかかないスピーチ力』

齋藤 孝 2016.6 ちくま新書

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•新年度の自己紹介や結婚式でのスピーチや会議などでのコメントなど、人前で話すのはどうしても緊張してしまいます。

 

•本書は「恥をかかないレベル」から「なかなかうまいな」と思われるレベルまでどうステップアップするかが書かれています。

 

•時間感覚.身体感覚、始まり方と終わり方、小ネタの集め方などがポイントになってきます。

 

•中でも始まり方と終わり方を決めるというのはすぐ実践が可能であり、安心して人前で話せるコツだと思います。終わり方は「ということでありがとうございました」、「では以上です。ありがとうございました。」の2つが着地に便利とのことです。

 

・他にもコメントを求められたときは当事者意識を持つ大事さをあげています。齋藤さんの場合は何かを食べるときには江戸時代だったら、どうだろう?」と考えるそうです。色々と応用できる考え方です。

 

・私もスピーチやコメントに苦手意識がありますが、読んで少し気が楽になりました。

 

 

 

『頭がいい人のChatGPT & Copilot の使い方』

『頭がいい人のChatGPT & Copilot の使い方』

橋本大也 2024,3 かんき出版

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・著書はデジタルハリウッド大学教授の橋本大也氏。こんなこともできるのかと感心するChatGPTの使い方が満載です。

 

・冒頭の人間vs AIでなく「人間+AI vs 人間+AI」の時代がやってくるという部分を読むと焦りますが、確かに数年もせずにそうなる気がします。

 

・基礎からはじまり企画書やデータ分析、プログラミング開発まで、広範囲かつマニアックな内容は今まで読んだChatGPTの本の中ではピカイチです。

 

・出力した文章から「Wimisical Diagrams」のGPTsでのマインドマップ作成やアンケートを分類して評価するなどは実務ですぐに使えそうです。

『ヤバい経済学』
ティーブン・D・レヴィット 2007年5月 東洋経済新報社

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・『天才読書』に掲載の一冊。


・銃とプール危ないのはどっち?ヤクの売人がママと住んでいるのはなぜ?など日常生活から裏社会までユニークな分析で通念をひっくり返す内容です。

 

・特に印象に残ったのは経済は面白いことに使え、インセンティブ(動機付け)は現代の日常の礎であり、理解することが凶悪犯罪から出会い系サイトまでどんな問題も解決できる鍵になるというもの。

 

・例として保育園に子供を午後4時までに迎えに行かないといけないが、親御さんはよく遅れてくる。そのため10分以上遅れた場合に子供1人につき3ドルの罰金を科すことに・・・

 

・結果としては親の遅刻は減らずに増えてしまいました。3ドル払って遅刻する方がよいというインセンティブが働いてしまったというのが理由です。

 

・他にも映画『ブラック・クランズマン』のテーマであるKKK(ク・クラックス・クラン)の組織力をアイデアで弱くした方法など、インセンティブを利用した少し変わった発想を広げるに役立ちます。

『カスタムChatGPT活用入門』

『カスタムChatGPT活用入門』

清水理史 2024.3  株式会社インプレス

 

•2022年11月にリリースされたChatGPT。2023年2月に有料版のChatGPT plusが開始され、2024年1月からは自分専用にカスタムした“GPTs”が作れるようになりました。

 

•GPTsはいちいちプロンプト(命令文)を書くのが面倒くさいので再利用可能な専用のAIを作る感じです。本書はGPTsを“カスタムGPT”とネーミングし、基本から応用まで紹介していく内容です。

 

•私も個人的に読書ブログ専用やレポート作成のカスタムGPTを作成して使ってますがなかなか便利です。

 

•本書では作成に必要な4つの要素が分かりやすく解説されており、「小学生の質問に答えるChatGPT」も10分もあれば作成できます。

 

•添付するデータに注意すること等が必要ですが、近い将来にはあらゆる業種で効率化のためにカスタムGPTを使うようになると思いますので今後も色々と作ってみようと思います。

 

#読書

#reading

#カスタムChatGPT

 

『プロフェッショナルコンサルティング』

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•『プロフェッショナルコンサルティング』は波頭亮と冨山和彦によって共著され、2011年6月に東洋経済新報社から出版されました。

 

•この書籍は、特に2011年3月に発生した東日本大震災直後の時期に出版され、危機的状況において個人が直面する役割と自己責任について強調しています。まえがきには、指示待ちや問題の押し付けあいではなく、一人ひとりが自発的に自分の役割に全身全霊を傾けるべきだとのメッセージが記されており、今日において強い印象を与えます。

 

•本書は、日本企業が直面する変革の難しさやコンサルタントの役割などについて、波頭氏と冨山氏が対談形式で議論しています。特に印象的なのは、ビジネスにおける感情や心理といった「情理」が重要であり、問題解決はロジックだけではなく、ファクト(事実)、論理、情理のすべてを考慮する必要があるという点です。

 

•冨山氏は、カネボウの再生において経営だけではなく、販売力とその源泉である現場の美容部員に注目することの重要性を説いています。このアプローチは、単に論理的な解決だけでなく、事実を丁寧に調べ、背景にある情理にも踏み込むことの大切さを教えてくれます。

 

•読み返しシリーズの一環として再読したこの書籍は、今の時代にも変わらず重要な教訓と示唆を提供してくれます。

 

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