『罰ゲーム化する管理職 バグだらけの職場の修正法』
小林祐児 2024.2 インターナショナル新書
•高い自殺率、縮む給与差、育たぬ後任、辞めていく女性と若手。社会問題ともいえる日本の管理職の異常な「罰ゲーム化」を、国際比較を含む多数のデータで分析し、解決策の方向性を示す内容です。
•ドラマ「不適切にもほどがある」でも描かれたように、現在の管理職はあらゆるハラスメントをきにしないといけないので、なかなか大変です。
•30年のロングトレンドでなぜ罰ゲーム化したかを分析した以下の部分が興味深いです。
経営環境▶︎バブル崩壊→組織の高齢化→これ以上人件費は割けない→非正規でカバーして競争力を維持
人材マネジメント▶︎成果主義の導入、組織のフラット化により管理職が減少。
職場環境▶︎プレイングマネジャー化が進行、労働時間管理圧力、人材の多様化
長いトレンドでみると原因がよく分かります。
•ではどうしたら良いか?本書では以下ののアプローチを紹介しています。
①フォロワーシップアプローチとワークシェアリングアプローチの現場実践
②ネットワークアプローチの現場実践
③キャリアアプローチの現場実践
どれも一朝一夕にはできないものですが、考え方として取り入れていくことは大事なことです。
•私自身も管理職であり、日々悩みも喜びもあります。客観的に管理職をとらえるには最適な一冊でした。